「わお、夕陽がきれい!」
応へて、友の二三人入れ替はり、ブランコに立ちては同じく喜びぬ。
あな、美しは夕日にあらず君らが様子なり。
家々の隙間より眺むる寒春の落日を、おかしと覚へて皆で認むるは、人の心にあらずんば寸とも始むべからず。あることを悲しきと思ひ、嬉しきと思ふがごとく、あるものを美しきと思ひ、醜きと思ひ、心を働かすことぞ成長のはしごなる。
何処にありてもスマホ、電戯に夢中なる童の多きに危うきと思ふ今日この頃なれば、常よりあるべき小事にこそ意外なほどに気持ちの踊りけれ。
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